お墓の種類(デザイン)と特徴
寿陵墓とはどのような意味なのでしょうか?
生前中にお墓を建立されることを「寿陵」といいます。建立者名の文字が朱色の場合は寿陵であると判断できます。長寿国となったことにも関係があり、現代では多く見られるようになりました。
お墓のカロート(納骨室)はどうなっているのでしょうか?
仏教の教えにお骨と自然な土に還すとされており、石碑の下とコンクリートにも貫通した穴が開けられています。地域性により開口部はさまざまです。骨壺のまま納骨する場合、スペースが限られていますので棚石を施したカロートもあります。また遺骨を布に包んでそのまま納骨される場合もあります。最近ではカロート室も石で囲い心配りされているケースも見受けられます。故人が安らかに眠る場所としてカロート(納骨室)も気にされることは大切な事です。
水鉢(香炉)にあるくぼみ(水受)は何のためにある?
お花や線香、そして水を供えしますが、水鉢(香炉)の上部に楕円形の形をしたくぼみにはお水を供えするためのものであり、その水受にはご先祖様の顔を映す鏡の役割とされています。お墓に供えするものは(花、浄水、香、飲食、灯燭)五供とされ供養に欠かせないものと考えられています。水鉢の水受は常に綺麗にし、お酒・ジュース類などは避けることが大切です。キリストのお墓と浄土真宗の場合、浄水は供えません。神道のお墓には浄水も線香も不要です。これらの宗教に関係なく、デザイン性が重視されたお墓には水鉢がない場合も見られます。
象嵌とは何でしょうか?お教えください
象嵌とは模様・絵柄を入れる際に基の石に異なる石を埋め込むことを意味しています。(石を彫り込み、そこに異なる石を嵌め込んで加工する彫刻技法のひとつです。)
象嵌の歴史は深く、古く飛鳥時代の伝わっているとされています。暖かい地域では問題無いようですが、一部の寒冷地などでは凍結による原因で埋めた石が剥離してしまう場合もありますので慎重に石材店に相談されると良いでしょう。
お墓に塔婆を立てなければいけないものでしょうか?
塔婆(卒塔婆)とも呼ばれます。お墓の横・後側に見掛けることがありますが、故人の供養の一つとして追善供養を目的にお墓とともに供えされるようになりました。在来仏教13宗の中で、塔婆をあげる習慣がないのは「浄土真宗」のみです。塔婆を立てることが必要か必要ではないかは建墓される方によって違います。
神道のお墓について教えてください
神道のお墓の形は石碑の先端を四角錐に尖らした兜巾(ときん)形状になっています。
仏教と異なり石碑に刻む文字にも特徴があります。神道では「〇〇家奥都白」と刻まれており神道式を表すために使われたそうです。また、神道では仏教と違い焼香をしませんので、香炉を必要としません。その代わりにお供えものを置くための八足台を配置します。仏教と大きく違うのは、神道には戒名がありません。同様の意味合いをもたらす「諡(おくりな)」があり、「生前の名前+諡+命」に構成されます。男性であれば年齢順に分けられ嬰児・稚郎子・童男・彦・郎男・大人・翁。女性であれば嬰児・稚郎女・童女・姫・郎女・刀自・媼に分類されています。
宗派によってお墓のカタチは決まってますか?
公営・市営霊園の建墓規定がある場合は、宗派を問わず形を変えることは出来ません。
規定がない場合、特に決まりはありませんのでお好みのデザインで建てることは可能です。ただし、神道式のお墓と仏教式の大きく異なり、神道は角を落として「兜巾(と きん)」と呼ばれる四角錐の加工を施す場合が多く見られます。だからだと言って神道の方でも洋風なお墓、デザイン墓で建立できないわけではありません。決まりはありませんので、本人の希望によって選ぶことは可能です。
デザイン墓石の知的財産権について教えてください?
お墓のデザインを勝手に盗用することは法的に禁じられています。民法上の所有権に類似した独占権と言えます。お墓のデザインは創出者に対し与えられ、それを類似したものを複製・盗用することは「知的所有権(知的財産権)」に抵触してしまいます。また、お墓に関して特許権・意匠権なども取得している場合もあります。気に入ったデザインを無断に複製してしまうと法的に罰せられてしまいます。また、石材店など知っていて複製販売した場合も同様、不正競争防止法に基づき損害賠償の請求をされますので十分注意しましょう。
デザイン墓石の金額はなぜ高いのでしょうか?
昔ながらの角型のお墓は通常、機械を使用し研磨されます。しかしながら、デザイン墓になると曲線など造形が施されているので、全て人の手による作業になります。時間も要しますし、特殊な機械なども使うことから時間と労力を費やします。よって、簡単な角型のお墓と比較しても金額が高くなることが分かります。
お墓は自由にデザインできますか? 何か決まりがあるのでしょうか?
お墓のデザインに関しては特に規制はありません。ただし、霊園などの規格墓所などによっては石の色・形が決められている場合もあります。自由墓所に関しては、特に決まりはありません。近年は多種多様化してますので、霊園の管理者または石材店にご相談されると良いでしょう。