その他お墓の基礎知識
お墓に使われる石の特徴をお教えください。
花崗岩はお墓の石として最も多く使われています。硬質で耐久性もあり、光沢(艶)も良く一般的には御影石と呼ばれています。その他に安山岩、斑レイ岩なども使用されています。日本の庵治石・大島石・真壁石・稲田石は花崗岩に含まれます。
お墓の建立時期はいつ頃が良いのでしょうか?
特に決められている訳ではありません。一般的には春・夏・秋のお盆、故人の祥月命日に合わせ建墓されるケースが多いようです。仏教では死後四十九日で霊魂は昇天し、三回忌には冥界における運命が定まると言われており、その間に故人の追善供養としてお墓を建て供養を済ませることが良いとされてきました。お墓を建てる時期よりも供養する気持ちが大切だと思いますので建立時期に拘る必要は無いかと思います。
寿陵墓とはどのような意味なのでしょうか?
生前中にお墓を建立されることを「寿陵」といいます。建立者名の文字が朱色の場合は寿陵であると判断できます。長寿国となったことにも関係があり、現代では多く見られるようになりました。
カロートの中に赤土を入れると良いのでしょうか?
カロート内部は特に湿気が溜まりやすいため、赤土は浸透性があり水捌けに優れていると言えます。また、赤色は厄除けの意味もあり縁起が良いとされております。
お墓のカロート(納骨室)はどうなっているのでしょうか?
仏教の教えにお骨と自然な土に還すとされており、石碑の下とコンクリートにも貫通した穴が開けられています。地域性により開口部はさまざまです。骨壺のまま納骨する場合、スペースが限られていますので棚石を施したカロートもあります。また遺骨を布に包んでそのまま納骨される場合もあります。最近ではカロート室も石で囲い心配りされているケースも見受けられます。故人が安らかに眠る場所としてカロート(納骨室)も気にされることは大切な事です。
自分が所有している敷地内にお墓は作れるでしょうか?
遺骨を埋葬・散骨しない条件でお墓自体を建てることは可能です。ただし、近隣住民の配慮が重要となります。地方に行くと家の敷地内にお墓が建てられているケースを目にすることがありますが、そういったお墓は法律が制定される前に建てられたお墓で認可を受けていると思われます。現在では「墓地・埋葬等に関する法律」により、「埋葬または焼骨の埋蔵は墓地以外の区域にこれを行なってはならない」とされています。
「法事」と「法要」の違いとは?
釈迦の教えを知るために集まる席を法事や法要と呼称されてきましたが、昨今では故人の冥福を祈るために行う仏教行事全般を表すようになりました。ただし、それぞれ意味合いが異なり
「法事」とは?
法要とその後に会食を含むことであり、追善供養を行う全般のことを意味しています。
「法要」とは?
故人の冥途での幸せを祈るために僧呂による読経や焼香などの儀式の事をいいます。
故人やご先祖様にお経と上げていただき、故人の魂を供養するための追善供養とされ
ています。
水鉢(香炉)にあるくぼみ(水受)は何のためにある?
お花や線香、そして水を供えしますが、水鉢(香炉)の上部に楕円形の形をしたくぼみにはお水を供えするためのものであり、その水受にはご先祖様の顔を映す鏡の役割とされています。お墓に供えするものは(花、浄水、香、飲食、灯燭)五供とされ供養に欠かせないものと考えられています。水鉢の水受は常に綺麗にし、お酒・ジュース類などは避けることが大切です。キリストのお墓と浄土真宗の場合、浄水は供えません。神道のお墓には浄水も線香も不要です。これらの宗教に関係なく、デザイン性が重視されたお墓には水鉢がない場合も見られます。
象嵌とは何でしょうか?お教えください
象嵌とは模様・絵柄を入れる際に基の石に異なる石を埋め込むことを意味しています。(石を彫り込み、そこに異なる石を嵌め込んで加工する彫刻技法のひとつです。)
象嵌の歴史は深く、古く飛鳥時代の伝わっているとされています。暖かい地域では問題無いようですが、一部の寒冷地などでは凍結による原因で埋めた石が剥離してしまう場合もありますので慎重に石材店に相談されると良いでしょう。
建立したばかりのお墓に茶色のシミのようなものが出ています。どうしたら良いでしょうか?
シミの発生した状況が正確に判断できないことから、建立していただいた石材店にご相談されては如何でしょうか?よくある事例でお墓の近くの木々から落ちた枯葉の色素が付着し、石に染み込んでしまうケースが報告されています。特に吸水率の高い中国産白御影石に多く見られるようです。同様にジュースの液体も注意しなければいけません。この場合、石材店にご相談されると石材専用のシミ抜き処理で綺麗に元に戻る場合もあります。建立して間もない場合は費用も掛からず対応して頂けると思います。錆の可能性もありますので、保証期間内であれば石材店にご相談下さい。